みなさん、雑草対策は万全ですか?
今回は対策しても場所を選んでまた生えてくる雑草と末永くつきあう方法についてお話したいと思います。
草の種類別の駆除方法や草を刈るときの心構えをおさえておけば、今後の雑草対策が断然ラクになりますよ。
基本の雑草対策
これまでの内容をおさらいします。
雑草対策の基本、だれでも安心して行える除草の方法と、そのあと草がそもそも生えてこなくなるとびきりの対策についてわかりやすくまとめています。興味のある方は参考にしてみてください。
ここまでの事前準備をしておけば、あとでシートの上に積もってくる微量の土から種子が発芽しても、まだ若いうちにちょこちょこ抜くだけで済みます。
この程度なら時間もかからずストレスフリーな維持管理ができそうな気がしませんか。
お庭の雑草対策には防草シートを敷きこむことが基本です。
ズボラなお前さんはほんとに防草シートだけじゃな
時々玄関といっしょに防草シートの上をササっとはくだけ!簡単なのが好きでして。
ところで、庭全体に防草シートは敷けるかな?
自力ではムリムリ。車の乗り入れ口とかだと破れちゃいそうだし..
そう、防草シートは1度敷いたら数年は効果を発揮してくれる優れモノですが
庭全面に敷くとなると、植木などの障害物や車の出入りの場所などの難所にあたるのではないでしょうか。
続いては防草シートを敷けない場所の雑草対策についてお話します。
防草シートを敷けない場所の管理方法
防草シートを敷いていない場所には雑草が次々生えてきます。
雑草発電でもできたらいいのに
研究開発中。楽しみじゃな。
毎日抜いているのに追いつかない、それどころかだんだん草が抜きにくくなっていると感じたことはないでしょうか。
雑草を「抜く」のはNG?
「根っこが残るとまたすぐ復活しそう」
だから雑草を駆除するとき、私たちはつい根っこから引き抜いてしまいます。
実は草を抜き続けると、その場所の植生がどんどん強くなっていくんじゃ!
なんですって?!
草を根っこから引き抜いてしまうと、根が張っていた空間が崩れ、何度も繰り返すうちにその場所の地面の土はどんどん固く締まっていきます。
すると次はその固い土に負けないように前より頑丈な草が生えてきてしまうのです。
もう少しくわしく説明しましょう。
雑草の根っこは根をひろげながら土を掘り進み、その場所の土が固く締まらないよう柔らかく耕しています。
親の雑草が地面を柔らかくすることで、子や孫世代も同じ場所に住み続けられるのです。
愛ですな
いままで根絶やしにしてごめんね、ちびっこ雑草たち。。
また草の根っこは光合成によって作り出した糖分を出し、微生物が住みやすい環境を整えています。
植物が枯れると周辺の微生物が根っこを分解し、土に栄養分が補充されます。
根っこがあった場所は程よい空洞として残り、空気を含んでフカフカした土壌が保たれるのです。
だからお庭のお手入れをする時は引き抜きたい気持ちをおさえ、雑草の「根」は残して地上部だけを刈るようにしてください。
植物には根と茎の先端に生長点とよばれる細胞分裂が活発な部分があります。
茎の根元2~3センチは白っぽく見えますが、刈りとるときにこの白い部分の付け根にある生長点が残ってしまうと、またすぐに生えてきてしまいます。
ですから草とりをする時は根っこのはじまりが見えるよう茎と葉を引っ張り気味に持ち、生長点より確実に下(株の下)を、カマなどでスパっと切り離すイメージで刈りとってください。
最初はめんどうに感じるかもしれませんが、慣れれば軽い力でサクサク作業が進みます。
この方法を継続して行うと徐々に土が柔らかくなり、刈りやすい植生へと変わっていくのが楽しみになりますよ。
カマをつかってスパっとカット。手も汚れなくて結果ラクです。
・抜くことで地面が固く締まりより強い草を生やしてしまう
・根は残して生長点より下でカットする
根から抜くべき2種類
ただしヨモギ・チガヤ・スギナのように地下茎で横に繁殖する植物や、ノビル・彼岸花のように球根で生えてくる植物などは別です。
◎地下茎植物
ごく初期なら根から抜いて繁殖が止められる場合もありますが、地下茎は切断された「かけら」からでも発芽するほどの旺盛さで、毎日抜いても追いつきません。
◎球根系植物
球根が分球してどんどん増えていきます。繁殖スピードが速く掘り起こして球根を取り除こうとしてもとても追いつきません。
よく見かけるこれらの草は、旺盛に繁殖しますので、根っこからの対策が必要です。
同様にセイタカアワダチソウやヤブガラシなども駆除が勧められている植物です。
ラウンドアップなど浸透の早い液体タイプの除草剤で根絶するのが効果的でしょう。
効果的な草刈りの方法
雑草対策を考えなければならないのは住居の庭先だけとはかぎりません。
郊外に住んでいるひとのなかには、相続などで広い農地を所有しているケースも多くみられます。
とくに農業を行っていない場合、全面に生える雑草の草刈りで土地をもてあましているひとも多いことでしょう。
相続後に農地を放置するデメリットについてはコチラの記事で詳しくご紹介していますので気になる方は参考にしてみてください。
農地に生える植物は大きく分けて「生長点の位置が低いイネ科雑草」と「生長点の位置が高い広葉雑草」に分けられます。
ここからは生長点の高さの違いに着目するといままでより少ない労力で雑草が繁茂するのを防げるというお話です。
地際刈りとは
刈払い機で地際すれすれを根っこだけを残して刈ります。
すると次のシーズンも同種の植物が生え続け低い草丈を維持できる、というベストな状態が保たれます。
この刈り方を「地際刈り」といってイネ科の植物がたくさん繁殖している土地ではとくにおすすめの方法です。
・「地際刈り」とは地面すれすれを刈り取る方法
ただし地際刈りで生長点を除去するには地面をえぐりとるように刈る必要があります。
地面に落ちている石や空き缶などに当たるとケガをしやすくキケンを伴いますし、金属刃やナイロンコードの消耗も早く、エンジンの回転数をあげるため大切な刈払い機にも負荷がかかってしまいます。
ちょっとコワいのよね地際刈りって…
フム。
あるんじゃよ、おすすめの方法が
高刈りとは
以前は草の種類は区別せずに根元で刈ってしまう「地際刈り」が主流でした。
生長点を軒並みぶっ飛ばす!みたいな感じ。
刈ったあとは株も残さず地肌の色が見えていてスッキリきれい。
実に気持ちがいいものです。
うんうん、なんか「勝った」ってキモチになる
ところが最近は地表から10センチの高さで刈る「高刈り」をするひとがご近所でも増えてきたような気がします。
・「高刈り」とは地面から10センチより上を刈る方法
高刈りにはメリットがいっぱい
こんなにいいことずくめです。
葉っぱが横に広がるクローバーなどの広葉科雑草は低く繁殖することで下草への日差しを遮り、イネ科雑草の成長を阻害してくれます。
カメムシなどの害虫はたいていイネ科雑草につきますから、結果的に害虫が減ります。
また地面から10センチより上を刈ることで、害虫を食べてくれるカエルやバッタの生活圏は守られるので好都合なのです。
みなさんぜひ高刈りでね!
また草の根っこというのは太く頑丈で刈りにくいものです。
慣れないうちは、つい腕の力でぐいぐいやってしまいがちですが、これを広範囲で何時間もやると終わったあとにはもうへとへと。
広葉科雑草はイネ科のものよりもやわらかく、上のほうはさらに少ない力で刈れるため疲れません。
そのうえチップソーも消耗しにくく経済的。
また地際を刈るときは、ポイ捨ての缶や固い石などに当たった時のキックバック(衝撃で金属刃が自分の方に走ってくること)がコワいものですが、高刈りは障害物には触らない位置を刈るので、ケガをする心配が少なく安心です。
イネ科雑草は放っておくとめちゃくちゃに伸びて、なかには身長ほどの背丈になるものもあります。
一方広葉科雑草は地表約10センチの高さにある生長点を起点に葉を横方向に茂らせながら繁殖します。こうなるとイネ科雑草には日が届かず光合成ができません。
高刈りは、いわば広葉科雑草をグランドカバープランツにみたてる方法といえます。
高めに刈ってクローバーなどを茂らせる、そのあとは伸びた分だけ刈りそろえるの繰り返し。
でもそれじゃ、しょっちゅう草刈りしなきゃですよねー・・・
いえいえ実はそうでもありません。
ある調査によると「高刈りをした時と根元からばっさりいった場合の1か月後の雑草の背丈はほとんど同じ」という結果がでたそうです。
実際に、近隣の農家さんも口をそろえて同じことをおっしゃいます。
ですから高刈りをしても、草刈りの頻度は前と変わりません。変わらないけれど毎度の作業がラクに済むという点で高刈りのほうがメリットが多いといえます。
雑草対策の心構え
雑草は対策してもきりがなく、刈っても刈ってもまた元気に伸びてきます。
子育てやお仕事で忙しい私達世代にとって、雑草対策は「余計な手間」と感じることも多いかもしれません。
草刈りは生産性ゼロ。この時間時給もらって働きたい。
相続した農地の雑草を下手な方法で刈り飛ばしながら、少なくとも私はそう思っていました。
でも「雑草は敵」みたいな気持ちでいるととてもしんどくなってしまいます。
だってどうせ刈ったってまたボーボーに生えてくる。
そもそも自然を相手に勝てるわけがありません。
自然は友だちじゃよー
雑草に振り回されることなく上手くつきあっていくために、3つの考え方をご紹介します。
【つきあい方 その1】
管理にメリハリをつける
【つきあい方 その2】
せっかくの大地に草が生えていないのは味気ない。「緑を維持する」と心得る
【つきあい方 その3】
色々な草花が生えている「癒しの原っぱ」を目標にする
土地の管理は草の管理と言い変えることができます。
何度刈ってもまた草は生えてきますから、手間をかけないわけにはいきません。
でも手間の「かけ方」を変えるだけで実際の管理がおどろくほどラクになります。
私もここに書いたいくつかの方法を実践しながら管理がラクになる自分のバランスを模索しているところです。
不思議なもので以前ほど草刈りや除草剤をまく作業にイライラしなくなりました。
緑を育てるという感覚で向き合えば「非生産的」とも思いません。
道行くひとが眺めてほっとできるような景色をこれからも守っていきたいと思っています。
おわりに
先日イメチェン目的で行った久しぶりの美容院で「結局は伸びた分だけカットしてセミロングくらいでキープするのがラク」とアドバイスを受けました。
確かに以前ばっさり切ったときは、伸び始めから肩を超える長さになるまでのお手入れがたいへんだったような。
で、このときにすごく思いました。
「草刈といっしょだな」と。
相当な「草刈り脳」になっていることは否めませんが、それ以来草刈りは「髪のお手入れや身だしなみのひとつなのかもね」というゆったりとした気持ちで過ごすよう心がけています。
みなさんも無理のない雑草対策をみつけてください。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。
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