草取りにむくわれない日々を送っていませんか?
この世にお日さまと水と土があるかぎり、雑草対策に終わりはありません。
でも効果的な方法を知り、手順通りに実行すれば雑草管理は決してつらいものではなくなります。
今回は対策歴10数年の私が、経験から得た雑草管理のコツをご紹介したいと思います。
「もう二度と草取りなんかしたくない!」「雑草対策に時間がかかってうんざりしている」というひとにむけて、少しでも参考にしていただけるよう分かりやすくまとめてみました。
この記事を読み終わるころには、次のステップにむけて行動を起こしたくなっているかもしれません。
3つの除草方法を使い分ける
結論から申し上げると雑草と気楽につきあうためには、ある3つのステップを知ってもらう必要があります、それは…
《 雑草と気楽につきあう3ステップ 》
・ステップ1 〈 除草 〉
・ステップ2 〈 防草 〉
・ステップ3 〈 メンテナンス 〉
です!
カエル仙人?と気になったかた、お時間があればこちらをどうぞ
「早速除草?それがいやなのよ」と嘆くきもちには心のそこから共感します。
しかしとにもかくにも、ここがスタート地点です。
長いスパンで雑草対策をとびきりラクにするための第一歩!
今回は「除草」についてまとめていきます。
どうかくじけずいっしょにやってみませんか?
・除草方法その1 手作業
・除草方法その2 除草剤
・除草方法その3 草刈機
除草方法その1 手作業
雑草対策のいちばん手軽で基本的な方法が「手でとる」草取りです。
ふう.. これがいやなのよ
~手で取る草取りにありがちなケース~
・「ちょっとだけ」のつもりが、ムキになって3時間
・ムキになった結果の日焼け
・ムキになった結果の腰痛
・手についた草の汁が夕食の準備時になっても消えない
・ノッてきたころに雨に降られる
・抜いた草の下から巨大ミ〇ズが現れる
・抜いた草を放置するといつのまにか根づいている
なんかいいことないのかい?
手作業の草取りは費用もかからず地道にコツコツできるひとにはいいかもしれませんが時間がかかり効率的ではありません。
何時間もかがみこんで膝や腰を痛めたというひともいらっしゃることでしょう。
膝もげるかもって思う時ある…
そんなお前さんにはこの愉快な名前の「三角ホ―」をさずけよう。ほらよっと。
「三角ホー」を選ぶ時のポイントは柄の長さです。
短いものでも作業の負担は軽減されますが、対策面積が広く作業に時間を要する場合には長い柄の物がおすすめです。
1メートル程度のものは小回りが利き、小柄なひとにも扱いやすくておすすめ。
長身や力のあるひとには1.5~2メートルくらいの長さがあると体(特に腰!)への負担が軽くてすみます。
迷った時は1.2~1.4メートルのものを選ぶと身長を問わず使いやすいでしょう。
柄が伸縮式の便利な商品もあります。
携帯に便利で用途や場所に応じて使い分けられる点が魅力ですが、使用中に柄がグラグラしたり伸縮部に泥が付着しそこから錆びたりしないよう手入れにも注意が必要です。
つぎは素材です。
好みや使用感には個人差がありますが、おすすめは柄が木製で先端が地金に鋼を付けて作られている素材のもの。
錆びやすい鋼オンリーの素材よりも、刃こぼれしにくく耐久性があります。
「柄がアルミ、先端がステンレス」の製品もよく見かけますね。
軽いと「疲れにくい」イメージがあり惹かれるのですが、実際に数時間単位で作業してみた個人的な感想としては用具が軽いと草を削るのに余分に力をこめる必要があるということ。
持ち手が天然木で先端が地鉄アンド鋼だと、ほどよい重みを活かして少ない力で地面に刃がラクに刺さる感じ、といったらいいでしょうか。
また「付け鋼」は「全鋼」とくらべて錆びにくい点もオススメです。
上手な三角ホ―の選び方
・柄の長さが1.2~1.4メートルのものを選ぶと身長を問わず使いやすい
・柄が木製で先端が地金に鋼を付けて作られているもの
・軽すぎる素材は意外に疲れやすい
三角ホーにはいろいろな使い方があります。
尖端部分で固く張った根をひっかけたり、二等辺三角形の長い辺で広い面積を効率よくこそぎ取ったり、底辺で刈った雑草を寄せ集めたりと大変便利。
ほかにも溝を掘ったり地面を平らに均したりと、農業全般で大活躍するおすすめ便利グッズです。
道具を取り入れるだけで作業の効率が上がり、足腰への負担も軽減します。
三角ホ―で効率よく集めた雑草は、コンクリートや日当たりの良い場所でしっかり天日干しします。
乾いたら後は自治体で燃えるゴミとして出すか穴を掘って埋めるかします。
しっかり乾燥させないとまたそこから発芽するので、埋める前に除草剤で枯死させておくのも方法です。
除草方法その2 除草剤
「気がついたら結構な量の雑草がはびこってしまった、手作業ではとても対応できない」
このような場合は除草剤が役にたちます。
はい。わたし除草剤ぜんぜんきらいじゃない。噴霧器でまけば短時間で作業がすむし、思ってたより有害じゃないし、木の根元とかに散布しても木、全然元気よね!
それはたまたま木に影響がないものを選んでいるからじゃよ。
除草剤を選ぶ時はどんなタイプのものがあるのか、購入前に商品ラベルをよく読んで安心してつかうことがおすすめです。
除草剤というと「すでに生えている雑草を枯らす」というイメージがあるかもしれませんが、大きく2種類のタイプに分類されます。
・生えている雑草に効く「茎葉処理剤」
・これから生えようとする雑草を抑制する「土壌処理剤」
種類その1 茎葉処理剤
まず茎葉処理剤は、その名のとおり薬剤が茎や葉に少しでもつくと表面から吸収され、根からゆっくり枯らします。
おすすめはラウンドアップ。枯らしたいものを狙い撃ち!なのじゃ。
ラウンドアップは木質化した根や幹からは吸収されません。
だから枯らしたくないものがある場合は、葉っぱにかからないように気をつければ、作物を植えている畑での利用も可能なすぐれもの。
散布の後1時間程経過していれば、その後雨が降っても地下でちゃんと効果が保たれます。
薄めて使う1リットルボトルがコスパもよくおすすめです。
そうそう、わたしも色々ためして結局ラウンドアップに戻ってきたよ。
2週間ほどかけて徐々に優しく(?)枯れていきます。
においもきつくなく土壌に作用しないから、近くでお花や野菜を育てていて心配というひとにも安心の商品です。
効果期間は1~2ヶ月。
地中の種には効果がないため生えてしまった雑草に1度目散布、種が芽吹く2週間ほどあとのタイミングでもういちど散布という使い方で1シーズンは雑草が目に見えて生えにくくなります。
種類その2 土壌処理剤
続いては土壌処理剤。
まいたあと地表に残り、発芽した種子の育成を抑えることで雑草が生えるのを防ぎます。
粒状タイプが一般的に多く売られています。こちらの注意点としては、野菜や庭木などにも影響を及ぼすため購入の際は用途に合ったものを慎重に選びましょう。
効果は ~6か月と長いため、近くで有用な植物を育てている場所がなく自分でも作物を植える予定がないという場合に利用すると対策の手間が節約できます。
ただし地面の薬剤処理層でだけ効くため草丈が伸びている場合にはあまり効果が期待できません。
なんと効果が半年ですって?!来年の春先にチャレンジしてみよ。
除草剤は「雑草が根を張って崩れるのを防いでいる傾斜地」での使用は推奨されません(つまり崩れてくる可能性があります)。
また薬剤の安全性が気になるひとは農薬登録があるかどうかも選ぶ際のポイントのひとつです。
登録があるものは「急性毒性実験」や「長期暴露」などさまざまな検査をパスしていて、公的に安全性を評価することができます。
また農薬登録があるもののなかでも「農耕地使用可能」なものと、そうでないものがあります。
ラベルをよく読んで購入しましょう。
☟ あわせてコレもおすすめ
あ~っ!ハコTがこの前へそくりで買っとったやつじゃ!
えっ?あっ!(挙動不審)、 仙人シーっ!けっこうどっかの高い舞台から飛び降りる勢いでポチったんスよ。はじめての「背負い式充電式」。「式」が2つもついてるところがえらいやん?なんでコレもっと早く買わへんだんやろうってくらいラク。2時間背負って散布したあとの疲労感が、前使ってたやつとくらべものにならへん。まずまず軽いのよ。ハコT感激!
「本体そのものの重さ」は噴霧器を選ぶときの重要なポイントです。
対策面積が広い場合、水で薄めるタイプの除草剤「ペットボトル2リットル×2~3本分」くらいの重量を持ち運んで作業することがほとんどだからです。
背負い式になると、価格は高くなりますが体への負担を考えると賢明な選択のひとつといえるでしょう。
また頻繁に使用する場合、単一乾電池を3~6本使用するタイプの噴霧器は電池を常備しておかないといけません。
一方、充電式だと「明日の朝一番からの作業」にもスピーディーに対応できます。
鉛蓄電池は安価で魅力的ですが「持ちが短くシーズンをとおして定期的に充電しないと劣化しやすい」というデメリットがあります。
噴霧器は冬場の利用がへることを考慮すると、リチウムイオンバッテリーの商品を選びましょう。
長く持つため、長期的にはコストパフォーマンスが上がります。
除草方法その3 草刈機
あのねえ仙人。うちこのまえ相続した土地の管理負担が重すぎるし、広すぎる。除草剤風呂おけ何杯分いるかわからへん。つらすぎて引越したいレベル…
ふむ。そしたらちゃんとした草刈機を買わねばなるまい。ではここからは選ぶ時の注意点を教えます。
どどーん、とプレゼントしてくれへんのかい!
選び方その1 動力
草刈機の動力には「電動式」「充電式」「エンジン式」の3種類があります。
「電動式」は価格が3種類のなかでもっとも安く、使い方も簡単なので初心者さんにおすすめです。
しかし電源がないと使用できないため、対策面積が広い場所や、山間部には不向き。またエンジン式のようなパワーもありません。
「充電式」はさきほどの電動式と同様、軽量のものも多く作業音が静か。
電圧の高い機種を選べばエンジン式にも劣らないパワーも期待できます。
住宅地でも使いやすく女性やお年寄りにとって「利用の心理的なハードル」が低い点がメリットですが利用時間に制限があり使用感は「バッテリーの持ち」に左右されます。
高容量のものもありますが値がはり、気がつけばエンジン式と変わらない金額になってしまうことも。
続いて田舎もののわたしはこれ一択!エンジン式、サイコー!
3種類の中でもっともパワーがあり短時間で効率良く広範囲を刈ることができるのが「エンジン式」です。対策面積が広く、山間部などでも活躍します。
購入後には維持費や管理費、定期的なメンテナンスについてなど、使用のための知識が必要となります。
あんまりよくわからず使ってるかも… 勉強しまっす…
選び方その2 ハンドルのタイプ
ハンドルの形状は長時間の使用時に体にかかる負担に違いがでる重要なポイントです。
「両手ハンドル(U字型)」と「ループハンドル」のほかに「ツーグリップハンドル」があります。
「両手ハンドル」は安定感と横方向の動きが得意で平地での利用に向いています。
反対に不安定な斜面や障害物が多い場所にはむいていません。
「ループハンドル」は、さきほどの両手ハンドルのように体を身体を大きく開かないと持てないということがなく、操作性の高い小ぶりなハンドルで障害物の多い場所や斜面での利用に向いています。
しかし両手ハンドルほどの安定感はなく、平地で長時間利用すると体に負担を感じるひともいるかもしれません。
「ツーグリップハンドル」このタイプにはハンドルがついていません。
柄についている2か所のグリップを握って操作します。
本体を自力で支えなければならないため体への負担はかかりますが、短時間の仕上げ作業かつ繊細な作業に向いています。
これな、わしは、ハコTにおすすめしやん。ハンドルがないという事は、柄をもって操作するじゃろ?簡単そうに見えるけどこれはかなりの上級者むけじゃぞ。
刈ってる途中で地面に跳ね返って自分の足元まで回転刃がはしってくる「キックバック」の危険があります。
用途ごとに使い分けたり、しっかり安全靴をはくなど装備を万全に使用してください。
草刈機は「タイプごとの危険度」をよく理解したうえで選べ、ということね。
選び方その3 刃の種類
草刈機の刃には「金属刃」「チップソー」「ナイロンコード」「樹脂刃」の4種類があります。
「金属刃」は値段が手頃なうえ、研ぎなおして再度利用できる点がメリットです。
最近は裏返して使用できる便利なものもあり経済的ですが石などの跳ね返りがあるとケガのもとになるため、取り扱いには慣れと注意が必要です。
「チップソー」は切れ味も使い勝手もよい優れモノ。
切れ味の点では金属刃にはかなわない部分もあるものの、メンテナンスが必要で障害物にあたったときの衝撃が大きい金属刃とくらべると、使用感とコスパのバランスにすぐれています。
チップの減り具合で変え時もわかるため初心者さんにもおすすめです。
「ナイロンコード」はナイロン製のコードが高速回転し草を刈るため、塀際や大きめの石が多い場所での反発がすくなく、庭木なども傷つけにくいというメリットがあります。
金属はちょっとこわいという初心者さんや、体力には自信はないが草丈が低いうちに草刈がこまめにできるというひとにおすすめです。
ただし全身緑星人になる。それも高確率でな。フェイスガードやエプロンなどの併用がおすすめじゃ。
「樹脂刃」はさきほどのナイロンコードの特徴にくわえしっかりした造りで固く太い草を刈ることができます。
ナイロンコード以上金属刃未満。次のステップを踏む前のお試しなどで使用感を体験してください。
【番外編】試したことある?あまりおすすめしない2つの方法
うーん… 手作業はまだしも、除草剤や草刈り機はハードルが高くて気が引けますよね。
そんなとき誰しも考えるものです。
「そこらへんにあるものでなんとかならへんの?」と。
買い物に行かなくても、どこのご家庭にもあるもの。
そして検索すると目に飛び込んでくるキーワードがあります。
それが「塩」と「熱湯」です。
それ、お手軽!いいじゃない?と思いました?でもその方法、ちょっと待ってほしいのです。
ここからは「なんかちょっと試してみたい!」でもあんまりおすすめはできない2つの方法についてお話します。
その1 塩
インターネットで「雑草対策」と検索すると、上位に表示される方法のひとつに「塩」があります。
どこの家庭にもあり「試してみようかな」という気持ちになっていた、あるいは実際に試してみたというひとも多いかもしれません。
はい?わたしのことですか?ええ、やってみましたとも。効果見てみます?(よいこはマネしないでください)
見事に枯れッ枯れじゃの。
雑草対策に塩をまく方法は、絶対におすすめしません。
なぜなら塩は土中で分解されず半永久的に残留するからです。
このため防草効果のほうは持続しますが(雑草の生い茂っている地面なら数回のうちは生えてくる)、この方法は「塩害」を人為的につくっているのとかわりありませんので、その土地で今後作物を育てることは一切出来ないと心得ましょう。
また塩は土中で分解されないとはいえ、雨が降ると隣接している畑や土地に流れ出ます。
その場合の被害は深刻です。
周辺農家さんへの責任を考えると、安易に「塩」を用いることは避けるべきでしょう。
仮に「影響を及ぼす土地がない」「自分の代で作物を作る予定はない」というひとでも次のような事態が考えられます。
・建築基礎へのダメージ
・上下水道管や電話線などのインフラ設備への被害
・建物や土地の「評価」へのダメージ
3つ目は普段意識しないひともいるかもしれませんが、土地の塩分濃度が高いと建物や土地を売りたい場合に思わぬ障害になり得ます。
自分だけでなく子や孫のことまで見据えて行動しよう
その2 熱湯
熱湯をまくと、植物はゆっくりと枯れていきます。
思ったより時間がかかりますが、数日が経ち気がつくと乾燥してカリカリに立ち枯れています。
除草剤は根から効くため最終的にはぐったりと枯死しそのうち見えなくなりますが、熱湯は地表より上の部分だけ枯らすため茶色く枯れたまま突っ立っているという感じになります。
めんや野菜をゆでる度ごく狭い範囲にまくというならよいのですが、湯をわざわざ沸かす費用と何度も家と外を往復する手間とを考えると、やけどのリスクの方が高くおすすめはできません。
また、ある一定の温度で土壌の細菌や微生物もいなくなってしまいます。
細菌や微生物は花や作物の成長のためにひと役買っているものですから、他の対策と比べ人体に影響が少なく手軽に試せるとはいえ注意する必要はあるでしょう。
「手で取る」「除草剤」「草刈り機」どれも草が生えたら当たり前に思いつく方法のように思われますが、大切なポイントは「あくまで管理と気持ちをラクにするための下準備」という意識を強く持って行うということです。
またインターネットでよく見られている方法に「塩」や「熱湯」がありますが、こちらは土壌への長期に及ぶダメージや安全の面からもあまりおすすめはしません。
雑草を「抜く・枯らす・刈る」など、これらの対策の後は放置せず、このあとの「ステップ2」へのスムーズな移行のために熊手などでかき集めます。
さいごに石を取り除き、地面を平らに整地すれば雑草対策ステップ1は完了です!
塩は料理につかうのがベスト!
熱湯はやけどに注意ね。
本記事では管理がとびきりラクになるお庭づくりの第一歩「除草」に関する3つの方法をご紹介しました。
ステップ2では効果的な防草対策についてまとめていきますので、興味のあるかたはそちらもご覧ください
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